sensormaker’s diary

おもに、水質分析センサ関連と3Dプリンターでの製作についてつらつら書いていきます。

Cardyシリーズの誕生と技術革新

僕が製品として初めて担当したのが、

コンパクトpHメーター Cardyシリーズ(堀場製作所 でした。

Cardy pH

開発経緯

開発期間:1986年~1989年

開発副本部長直轄のプロジェクトで開発を行いました。

当時、カード型のテスターというのが流行っていました。

開発副本部長は電気屋でしたので、pHメーターもカード型なら面白いというのがこの製品発想の原点だったかと思います。

1987年から販売を開始し、その後、イオンメーター(ナトリウム・カリウム・硝酸)・導電率メーターへと展開しました。

Cardy 塩分計
当時のカタログ

ときを経て、2013年には、一般社団法人日本分析機器工業会・一般社団法人日本科学機器協会主催の
  第二回 分析機器・科学機器遺産 に認定されました。

紹介文中の
「1987年に販売されたPET(ポリエチレンテレフタレート)のシート上に平面センサを
形成した世界唯一の水質分析計 カーディシリーズ。ポケットに入るサイズで現場で
の測定や微量サンプルの測定に適している。特にpHに関して、販売から26年経
過した現在でも、PETシート上にガラス電極を形成できる技術は世界唯一である。

太字の技術は、僕が考案した特許に基づくものです。

特公平8-10205 イオン選択性電極およびその製造方法

 

当時の仕様としては、

測定範囲:pH2 ~ pH12

測定再現性: ±0.1 pH

 

だったと記憶しています。

 

その後、スティック型のTwinシリーズへと展開していきました。

 

レアな写真として、次のようなものがあります。

何台かの販売記念で作ったかと記憶しております。

ケルトンのCardy Salt市販品との比較、アルミメッキバージョン