sensormaker’s diary

おもに、水質分析センサ関連と3Dプリンターでの製作についてつらつら書いていきます。

スマホで測れるpHメータ その1

ブログの説明で、「おもに、水質分析センサ関連についてつらつら書いていきます。」

といいながら、まだ、一度も、その話題に触れたことがないので、初投稿します。

 

わたしの会社では、小型の水質関連計測器の開発を行っています。

自社製品としては、唯一、スマホで測れるpHメータ「pHAI」という製品を作っています。

こういう感じのものです。

スマホから、BLE(Bluetooth Low Energy)で、センサ(右の黒い棒状のもの)を操作して
測定するというものです。

2018年4月から、本格的に、開発を開始しました。おそらくですが、スマホを使って
pH測定をするシステムというのは、私のところが、世界で初めてではないかと思います。

上の写真のものは、今月、8月1日に発売を開始したばかりの、最新機種、

「pHAI Smart Simple」というものです。

Simpleという名のとおり、機能としては、必要なものだけに絞り込み、

初めてのかたでも、直感的に簡単に使えるということを、第一と考え、

この5年間の集大成として、Simple is Bestという想いを込めた製品となっています。

この製品については、おいおい、説明していくとして、今回は、5年前のちょうど

今頃、最初に試作したときのことについて、お話します。


最初の試作は、こんなようなものでした。

BLE Nano V2

マイコン基板はBLE Nano V2という20mm角くらいの小さな基板を使いました。

おきまりのブレッドボードを使った実験

センサの抵抗が非常に大きいので、インピーダンス変換回路を搭載しました。
また、温度測定回路(白金測温抵抗体PT-1000用)も搭載しました。

インピーダンス変換回路実験

最終的には、基板はこんな感じになりました。

手組無線基板

マイコン基板の組み込みソフトウェアも私が作りました。

ではでは、センサと組み合わせて、初めての測定です。わくわくしました。

バラバラですが(笑)。

はじめてのpH測定

この次に、水道水を測ってみました。水道水というのは、結構、何も入ってない

水溶液で、測定するのが難しい水溶液です。センサの応答が速いと言われるものでも、
90%応答で90秒とかかかる対象物です、

で、実際、測ってみました。
すると、瞬時に応答し、あっという間に安定しました。その間、約5秒。

そのとき、30年以上、pHセンサ関連に関わっていたもの3人いたのですが、

みんな、目を見合わせ、ビックリ仰天で、「こんな速いのみたことないで~(関西人なので)」とめちゃくちゃ盛り上がりました。

 

ま、お前のソフトおかしいんちゃう?などという疑いの目もありましたが、

何度やっても、同じ結果で、測定値も他社のpHメータの測定値とほぼ変わらず、

無罪放免となりました。

これで、未来は明るいと意気揚々となったのですが・・・・・・・・・。

最終的にはセンサはこんな感じとなりました。

センサ組み合わせ

白のプラスチック部品は、当時、安くなってきた、光造形3Dプリンターで製作しました。5万円程度の安い機種でした。

当初は、グラフとか、大きい画面でみたいよね、ということで、10インチタブレット
と組み合わせていました。

タブレットとのセット

ずいぶんと長くなってしまいましたが、そろそろ、その1はお開きとさせていただき、

次回へ続くとさせていただきます。

製品詳細は、こちらをごらんいただければ幸いです。

www.monotonetech.com